近年の分類・和名の変更に関する解説記事・文献

日本産爬虫両生類の分類と和名に関する解説記事

標準和名が最近新設されたもの

チュウゴクオオサンショウウオ Andrial davidianus (Blanchard, 1871)(2025年11月29日総会にて採択,2025年12月2日掲載)

国内各地で固有種オオサンショウウオが,外来種Andrias davidianusとの交雑を介した遺伝的撹乱の影響を受けていることが明らかになり,オオサンショウウオの保全の観点より大きな問題となっている.標準和名委員会では,国内でAndrias davidianusが種として繁殖定着していることが未確認であったため,これまで標準和名の選定を見送っていた.実際に,国内ではオオサンショウウオとの交雑個体は多く確認されているが,遺伝的に純粋なAndrias davidianusが生息している可能性は極めて低いことが報告されている(Nishikawa et al. 2024).しかしながら,Andrias davidianusの問題は,研究機関,行政機関,動物園や水族館,市民保護団体等,様々な人々や機関が関わっており,本学会として本種の標準和名を決めることの意義は大きいものと判断された.そこで,標準和名の検討を行い,2025年度総会にて標準和名が採択された.

オワリサンショウウオ Hynobius owariensis Sugawara, Fujitani, Seguchi, Sawahata et Nagano, 2022(2025年10月16日掲載,原記載著者の提案した和名を採択)

新種記載に伴う和名の新設.記載論文 (Sugawara et al. 2022) にて,著者の提案した和名を標準和名として採択.なお,本記載論文は2022年に発表されたが,本学会の日本産爬虫両生類標準和名リスト掲載種選定ポリシーに則り,標準和名の検討が見送られていた.その後検証論文(Kimoto et al. 2025)が発表されたことを受けて,改めて標準和名の検討を行ったものである.

ヒガシニホンアマガエル Dryophytes leopardus Shimada et Matsui, 2025(2025年3月10日採択,2025年4月28日ウェブサイト更新,原記載著者の提案した和名を採択)

新種記載に伴う和名の新設.記載論文 (Shimada et al., 2025) 著者の提案した和名を標準和名として採択.

その他の変更

最近のものはとくになし


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